「考えたけど、何も浮かびません」
ファション専門学校で講義をしている際に、課題に対して何も書いていない学生から聞く言葉です。
今までは、そこで、「自分の頭で考えたことを、なんでもいいからノートに書いてみてください」と発言していました。そもそも、私が使う「考える」という言葉と、学生が使う「考える」という言葉は同じなのかという疑問が湧いてきました。
私も「考える」とはどういうことかを、ほかの言葉で置き換えて説明することができていないことに気がついたのです。
「考える」とはどういうことかを言語学者の視点でChatGPT4に聞いてみたら次の一節の回答を得ました。
「考える」という言葉は、さまざまな言語と文化で異なる概念や意味合いを持っていますが、一般的には、人間の認知や思考のプロセスを指します。以下に、いくつかの側面を詳しく説明します。
- 記憶の呼び起こし: 「考える」には、過去の経験や学んだ知識を記憶から引き出すプロセスが含まれます。これにより、過去の情報を利用して新たなアイデアや解決策を考案することが可能になります。
- 想像力の利用: 「考える」プロセスにおいて、想像力は非常に重要な役割を果たします。想像力を使って、未来の出来事や状況を予測し、それに対処するための計画を立てることができます。
- 論理的思考: 「考える」には、論理的思考も含まれます。論理的思考は、事実や情報を整理し、それらを組み合わせて合理的な結論や判断を導き出すプロセスです。
- 直感: 直感は、意識的な思考や分析を経ずに、瞬時に解決策やアイデアを導き出す能力です。直感的な思考は、「考える」の一部として、問題解決や意思決定に役立ちます。
- 感覚的知覚: 感覚的知覚は、外界からの刺激を受け取り、それを認識し、理解するプロセスです。感覚的知覚を通じて得られた情報は、「考える」の基盤となります。
ChatGPTが出した回答の1、2、3については、「考える」の中身を分解した解説としてとてもわかりやすいと思いました。
1、記憶の呼び起こし
自分の頭で考えるという言葉があるということから、頭の中にある記憶を呼び起こして考えるという料理の具材をまな板の上に並べる段階があることを理解したました。
2、想像力の利用
呼び起こした記憶(過去の経験や学んだ知識)を使って、想像する。
3、論理的思考
足したり、引いたり、掛けたり、割ったりといった四則計算や因数分解などの論理的な思考のステップも考えるという範疇に入るのでしょう。
4、5は、大きな意味の範囲では「考える」なのでしょうが、直感はひらめきとも言えるものですし、感覚的知覚も刺激を認識するものです。私の中の「考える」という概念の外に存在するものと思いました。
最初の学生とのやりとりに戻ると、与えた課題に対して「考えたけれど何も浮かびません」という言葉は、「記憶の呼び起こしをすることができませんでした」という意味に受け取れます。
考えるための具材を見つけることが出来なかったという回答に対しては、課題に関する体験や知識が無いとするならば、考えるための材料を提示するということが必要になります。
考えたことを言葉にして書くということは、今度は頭の中では色々出てきたけれど、それをどのように書いたら良いかわからなかったということも考えられます。
書く言葉が出てこなかったので書けなかったということです。
この場合は、書き方がわからないということです。私も小学生の時の読書感想文は大嫌いでした。あらすじを書いて、面白かったとか、感動したくらいの文章しか書いた記憶がありません。どんな風に書いたら良いか、書き方について教えてもらった記憶は無いですが、「思ったことを自由に書きなさい」ということを言われた記憶はあります。
そうなのです、小学生の時の先生と同じ発言をしている自分が今いることに気がついたのです。
考えること、書くことについては、「何をどのように考えるのか」「何をどのように書くのか」について、具体的に解説することが必要であるということを考えました。
今日もありがとうございます。
コメント