まず商品情報、さらに販売力を磨くポイントはこちら

LiFE STYLE

「これからは男性社員も、女性社員同様に販売できないといけない」
「君は婦人セーター売場を担当してもらう」
配属先の婦人服部長に言われた言葉を思い出す。
百貨店では入社から7年間店頭で販売をしていた。
ずっと婦人服のミセス売場だった。いかに男らしくしないかに苦労した。最初は空気のようになりたいと思っていたくらい。慣れると「いっちょまえ」には販売できるようになった。
「いっちょまえ」に販売できるようになったので、その後はバイヤーの道に進むことができた。

今日の講義メモは「商品分析シート」、それをもとに、販売トークのパターンを増やしていく話。
僕が実際に受けた販売研修のシートはもう残っていないので、思い出したのが次の内容。

商品分析シートに記入する内容
1、取引先名(自主売場は社員が販売するので、純粋にメーカーから仕入れた商品を販売する。)
2、ブランド名(取引先名イコールブランド名ではなく、当時でいえば、三陽商会、バーバリーなど)
3、アイテム名(セーター・カーディガン・アンサンブル・ベスト・ジャケット・スカート・パンツ・コートなど)
4、デザイン(ハイネック長袖・タートル半袖など、セーターだと襟元と袖丈。コートだとスタンドカラー・ショート丈のように襟元と着丈などの大枠のデザインを記入する)
5、ディティール(セーターでは、ゲージといって網目が細かいものをハイゲージ、ざっくりしたものをローゲージと分類するが、もっと詳しく16ゲージ12ゲージ8ゲージなど、1インチの幅にある網目の数まで調べて記入できると二重丸)
6、素材(ウール100%とか、ウール60%カシミヤ40%など組成の混率)
7、付属(ベルト付きとか、裏地のある無し、裏地の素材がポリエステルなのか、シルクなのか)
8、色(この色を言葉で表すのがとても難しい。赤といっても、朱に近いのか、深い赤なのか、その程度はどのくらいかを表すのが、自分の見ている赤は本当に他の人の見ている赤と同じなのかなんて疑い出すと混乱する。特に、グレーとベージュの間の色や、薄いグレーに見えて、太陽の下で見るとベージュ系の色に見えたり、その商品をどの光で見るかによって、見え方が異なる色が存在するのが厄介)
9、サイズ展開(7・9・11・13号とレディスでは表記するが、ブランドによっては、XS・S・M・Lと表記するものも多く、その場合、ブランドによって基準値が違うので、Mサイズでも差が生じる)
10、サイズ寸法(肩幅・身幅・袖丈・袖口幅・裾幅、着丈などの実寸を測る 基本9号やMサイズの値を記入する)
11、価格(その商品の販売価格)
ざっと以上の項目を記入して、この記載した商品についての販売トレーニングを行う。

トレーニングの方法については、研修生同士がお客様と販売員に分かれてロールプレイングするもの。
商品分析シートは、お客様との接客の中で、お客様との会話でお客様の疑問に答えたり、お客様の不安を解消したりする際に話す言葉の裏付けとなる資料である。

 商品分析シートを完璧に調べて記入できていても販売が上手くなるものではない。しかし、これらの商品情報を知っているのはプロとして当然のこと。お客様にとって、よく知っている販売員さんに接客してもらっているという安心感や満足感を与えることができる。

 あまり商品知識はなくとも、お客様楽しそうに買い物するのをサポートできる販売員さんもいる。そのタイプ人たちは、商品自体の知識よりも、お客様が喜ぶコーディネイトを完成させる力、お客様が楽しく喋るのをさらに心地よく聞いてあげる力といった、お客様の信頼を勝ち取るサービス力がある。お客様がその販売員から買いたいのは、もはや、その販売員のファンクラブのメンバー状態なのだ。

 お客様の知りたい情報のみをうまく言葉にするのが良いのであって、聞かれてもないことを説明したり、お客様の購買行動を邪魔するような接客をしてしまうのでは、鬱陶しく思われてしまう。
「僕、よく知ってますよー」なんて、いらないのだ。
 
 お客様と会話し、お客様の不安や疑問に思っていることを聞き出し、それに対して、商品分析シートに書いた情報を伝える。お客様の買いたい気持ちにはさせるのにはもうひと工夫がいる。
その工夫は、次の内容。ここが重要ポイント!

 商品分析シートの、デザイン・ディティール・素材・付属などの情報が、お客様にとってどのようにプラスに働くかを言葉にする。お客様の不満を解消する手立てを言葉にして持っておく。お客様にとって商品がいかに価値のあるものであるかを説明できる力、プロの販売員さんに求められることである。

この、情報=事実ベースの事柄が、お客様にとっては、どのようなメリットとデメリットがあるかについてを語れるかどうかが大切なのだ。一例を次に書いてみると、、、

「デザインが〇〇だから、こういう時に役立ちます」
「デザインが〇〇だから、コーディネイトするアイテムの幅が広がります」
「こういうアイテムを持っていると、コーディネイトのアクセントとしてひときわ上品に見えます」
「私も色違いで持ってます。こういうの探しても中々無いですよね」

 「なるほど」と思ってもらえるようにトーク。
あなたならではの言葉で、お客様の心を満たすことができれば、誰しもがあなたから買いたくなる。

今日も講義メモでした。ありがとうございます。


Alan FrijnsによるPixabayからの画像



  

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