企画創造力を養うのに必要な5つの力

ファッション講義メモ

何かを企てる。
その企てに他者からの声があがる。「うわー!楽しそう!」とか「それ実現させたい!」
企てるって楽しいを実感してもらう講義がしたい。
今年は企画力UPに必要な能力を以下の5つに分け、講義を通じてこれらの力を養うことにする。
1、インプット力
2、観察力 
3、思考力 
4、構想力
5、表現力

インプット力 知識を増やす。知らないことは想像できない。

知らない言葉を調べるのに最も役立つツールとして今やGoogle先生がいる。
全ての学生がスマホを携帯している。即座に調べることができる進化した時代。
いつも聞けば答えてくれる検索アプリはまさに辞書を持ち歩いているのと同様。
それでも、辞書や専門書は必要だと思う。
なぜなら、ファッション用語辞典などは、スマホより優れた効果をもたらすから。

どちらも調べればわかるという点では同じだが、
辞書の良いところは、知らないことが載っていること。
知らない言葉を調べれば、知っている人になる。
辞書のメリットは、知らない用語がたくさん並んでいるのを見ることで、まだまだ知らない事柄があることを理解すること。ネット検索は検索しようと思う用語についてしか知り得ない。知らないことが目に入って、それらも見ることで関連する知識が一気に増えていく。

ファッションに限らず、知らないことは想像できない。
料理で言えば、名古屋の名物あんかけスパゲティ。(唐突ですみません)
食べたことのある人はその味を創造できると思うが、なかなか味の表現が難しい。
ましてや食べたことがない人にはその独特の味を脳内で創造するのは困難。

ファッション業界の例としては、一般的には使わないが、業界用語として布帛(ふはく)という言葉がある。これは織物のことで、生地を使い縫製した製品のことまでを表すこともある。布帛に対して、編み物はニット。

さらにニットを分別すると、横(よこ)と丸(まる)に言い分けることがある。
横は横網機で編んだもの。丸は丸編み機で編んだものを指す。
ファッション用語や、基礎知識の教科書には載っていない俗語も多いので、それらの解説も重要。

ファッション用語の習得は、料理で言うところの具材について学ぶこと。
お洋服がどのように作られているのかは、料理方法について学ぶこと。
実際の服がどんなテイストなのかは、料理ではどんな味つけかを学ぶこと。

知らないことを知ってもらうには、知っていることに喩えて教えると理解が進む。
まずは知識を増やして、想像できる事柄を増やす作業が大切。
この作業は、自己学習できるようになって欲しいと思う。

まずは知識を増やすこと。知識が増えると創造する力が身に付く。
どんなことを企てるのにも、知らないヤツより知っているヤツの方が企てる力が強い。

観察力  自分が反応した場面をリアル「スクショ」する→脳内保存

観察力は好奇心があることで深く掘ることができる。
覚えなければならない用語はなかなか覚えられないが、
好きな歌手の歌詞や曲は夢中になって聴くのですぐに歌えるようになる。

「ブランドプロデュース」講義は、観察する対象範囲が広く、今の世の中の変化全般になる。
自分が興味がない領域でも、最近流行りのものごとや、話題になっていることをキャッチできるアンテナを立てて欲しい。もちろん、PEST分析の対象にあたる政治、経済、社会状況、技術革新の切り口でもチェック。

おすすめの手法はリアル「スクショ
1、自身の生活圏において人が集まっている場所。近くのスーパーやコンビニの陳列、商店街の人々の服装や持ち物、駅や電車での人々の服装や持ち物などを観察。時にいろいろな新しい変化。
2、そしてスマホ画面のスクショのように、自分が反応した場面をリアルスクショする。
3、そして脳内に保存する。
このリアルスクショの意識が観察力を高めてくれる。(特にビジュアル要素において)
重要なことは、なぜ自分が反応したのかを考えること

自身の生活圏以外の情報については、縦軸と横軸の切り口で観察する。
縦軸とは時系列。過去から現在までの時間の経過で何がどのように変化したか。
横軸とは空間軸。都会と地方。日本とアジア、アメリカ、ヨーロッパ。流行の伝播など。

思考力  抽象化する力と具体化する力 

思考については、いろいろな〇〇思考と呼ばれるものが存在する。
本質を問うWHY思考は、なぜそうするのか、なぜそうなるのか、そのようになる要因は何かを考える。
ロジカルシンキングと呼ばれる思考は、考える対象をもれなくダブりなく分割、その後全体を再構成。
その他、水平思考やアナロジー思考など、それぞれの思考の使い方をマスターしてもらうワークを実施。

思考力の筋力をアップするには、抽象化する力と具体化する力のスクワット練習が重要。
要するにどうゆうことなのか?という抽象化力。
具体的にはどうゆうことなのか?と言う具体例に置き換える力。
他者とのコミュニケーションでは、この抽象度合い、つまりどの立ち位置で会話しているのかの目線合わせができていないと、お互いの理解が進まなえいことが多々ある。
「訳がわからない」「もっと具体的に言ってほしい」なんて言葉が出る時は見ている次元が違うのだ。

この抽象化力と具体化力は仕事をする上でも、最も重要な思考力と言える。これらをマスターするために、この講義以降のいろいろな場面で、「もっと具体的に表現するとどうなるか?」とか「要するにどういうことか?」という問いかけをしていく。

構想力 「アイディアの作り方」「オズボーンのチェックリスト」

構想力もいわば、思考力のひとつだが、別立てで取り組んでいこう。
構想力の能力をつけるにあたって、2人の思考の達人に手伝ってもらう。

ジェームス・W・ヤングの「アイディアの作り方」
アイディアが生まれる原理
 1.アイデアとは既存の組み合わせ
 2.既存の要素を組み合わせて新しいものを作りだす才能は、事物の関連性を見つけ出そうとする心の働きに依存することが大きい。

アイディアの作り方
 1、材料収集
 2、材料の消化
 3、孵化
 4、アイディアの誕生
 5、アイディアの検証と発展


アレックス・F・オズボーンのチェックリスト
1、『転用』他の使い方はないか?
2、『応用』過去に似たような成功例はないか?
3、『変更』過去の成功例の何か(使い方、動き、形など)を変えられないか?
4、『拡大』(大きさ、時間、規模、強さなど)してみる
5、『縮小』(小さく、短く、早く、省略など)してみる
6、『代用』(材料、プロセスなど)してみる
7、『並び替え』(スケジュール、配列など)してみる
8、『逆・反対』にしてみる
9、『組み合わせ』てみる

これらの思考ツールを使って、新しい商品・サービスといったビジネスモデルを企てる力を身につける。

表現力  言語化する力 図解化する力 説明する力

表現力と言っても、ファッションビジネスを学ぶ学生にとっては、次の3つの力を身につけて欲しい。
1、言語化する力
 自分の気持ち、意志、アイディアなど頭に浮かぶモヤモヤとした言葉の断片を他者にわかるように外に出す力を養う。
2、図解化する力 
 今後、いろいろな企画書を作成するにあたり、文章で伝えるだけでなく、図にして表現すると伝わりやすい。図にすることで、自分の考えもスッキリする。図解化する力は思考する力でもある。いろいろな図解手法があるので、これらも身につけてもらう。
3、説明する力
 まずは、他者に口で説明する。
「何を言っているのかわからない」とならず、「わかりやすい!」って思ってもらえる方法を学び。授業の中でも、発表などで実践してもらう。

まとめ 学ぶことの楽しさを知って、自分で能力UPできるようになってほしい 魚の釣り方を学んで実践し、飯が食えるようになれば最高 !

「うわーっ、この講義を受けて良かった!」
1年通期の講義を終えて振り返った時に、この言葉が出たら最高!
来年には社会人となる。
この講義で、学ぶことの楽しさを体感してもらい、
社会人としての仕事の場でも役立つ力を身につけてもらいたい。

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