知らないとは、知らないことを知らない状態である

ファッション講義メモ

wal_172619によるPixabayからの画像

本日はファッション講義メモ。
お洋服は大きく分けて2種類の作り方がある。
 1つは生地を糸で縫う。手縫いからミシンまで生地と生地を縫い合わせて、平面のものを立体に。
 もう1つは、糸で編む。これも手編みから機械編みがある。
 お洋服のパーツである生地は縦糸と横糸で織られた織物は、業界では布帛(ふはく)という言い方をする。それに対して、編み物はニット。編み物なんだけど裁断して縫製するTシャツやトレーナーなどはカットと言う。カットは裁断して縫うという意味のカットアンドソーンからきている。カットソーという言い方も一般的。そんな洋服が何からできているかを知っているか知らないかで見える世界が違ってくる。専門学校に入学したばかりの学生さんにTシャツは布帛ですか?ニットですか?と問うとたいてい「布帛!」って答える。布帛っていう用語も知らない場合があり、その場合は織物か編み物かを聞く。
正解はニット、編み物ということで、Tシャツの生地をよく見てもらって編み物の組織になっていることを確認してもらう。
 知っている側からすれば、そんなことも知らないの!って思うが、誰しも知らないことは、自分で調べるか、教えてもらうかしないと、知らないまま。知らないことも知らない。
 お洋服でいえば、織物と編み物以外に、動物の革であるレザーや織物でない作り方をする不織布と呼ばれるものがる。レザーなんかは、一般的な服の作り方とは違った作り方をする。レザー用のミシンでレザーを縫う技術を持っていないとお洋服にはならない。
 お洋服は毎日着ているものだが、織物なのか編み物なのか知らずともファッションを楽しむことができるし、一般的にはそこまで知らなくても何も問題ない。私も違う業界のものであれば、知らないことがたくさんある。例えば、食器。和食器と洋食器の違いや、ウエッジウッドとかバカラくらいは知っているが、どこの焼き物なのかとかは分からない。器を見ても、ごつごつした表面のものとか、ツルツルの表面のものの違いがどうしてできているのかも知らない。知らないことには、その良さも判断できない。単なる食器で終わってしまっている。
 でもファッションに携わる人にとっては、お洋服がどうやってできているのかは知って欲しい。
布帛とニットから始まって、織り方や編み方、糸の種類など、まだまだたくさんの要素がある。それらを知ることで単なる服が、鑑賞できるレベルの作品となって、観る人の想像力を掻き立てる。良い糸を使っているとか、綺麗に縫えているとか、ハンガーにかけた時の服の姿が美しいとか。プロが当たり前のように観ている視点を分解して、学生に教えることで、お洋服を見る解像度を上げていくことが、教える側の役割だと考える。
 違いについて知ることは、プロフェッショナルへの入り口。知識を増やすことは、とても重要なことではあるが、知っているだけでは、それこそAIや人工知能のデータには勝てない。
 知識を複合的に掛け合わせて、望むものを想像し、新しいものを創っていく。
 それには、ファッション業界の知識だけで勝負するのでなく、他の業界のことにも目を向けてるものアリだ。別の業界のことで使えるアイディアを探してみたり、明らかに違うものの共通点を探してみたりして、発想力を高めていけば、面白いものが出来上がる。
 まとめ
 知らないものは想像できない。
 知らないことは知らないことを知らない。
 知ることで見える世界が変わる。
 知ることで解像度があがる。
 知識は道具。
 知識は使える質と量が必要。
 知識を使って新しいものを創り上げよう!
今日のファッション講義メモは以上です。ありがとうございます。

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